26日の紙面から

●大型連休突入も街はひっそり
 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけようと県が要請した休業が25日始まった。能代山本でも多くの施設・店舗が休業や営業時間の短縮に踏み切り、街はこれまで以上に静まり返った。本来であれば、帰省ラッシュをはじめとした人々の往来があり、地域も活気づいたであろう大型連休初日。住民からは早期の終息を願う声が、休業対象の関係者らからは先行きに対する不安などが改めて聞かれた。休業対象期間は来月6日まで。

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大型連休スタートも、能代山本の行楽地はひっそりと静まり返った(八峰町ポンポコ山公園で)

●役七夕、今夏の運行を中止
 8月6、7日に運行される能代伝統の「役七夕」で今年の当番を務める柳若組は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今夏の運行中止を決めた。役七夕は市中心部の五つの町組が輪番制で運行。運行中止は戦後初となる。柳若組は、来夏に運行の延期が可能かどうかを「能代役七夕五町組協議会」に打診する方針だ。

●飲食店のテナント支援の動き
 新型コロナウイルスの打撃を受けている能代市の繁華街で、飲食店のテナントの家賃(1カ月分)を無料にする動きが一部で出始めた。大家が「必ず良い時は来る。何とか踏ん張ってもらいたい」との思いを込めた取り組みで、飲食店からは「大家の気持ちに応えて頑張りたい」といった声が聞かれている。

●能代山本の人口7万5081人
 県調査統計課がまとめた4月1日現在の人口と世帯数によると、能代山本の人口は7万5081人で前月から407人減少した。対前月比減は179カ月連続となった。世帯数は3万1605で前月比8減。

●昨年度下期の県内企業動向調査
 秋田経済研究所が行った県内企業動向調査(3月調査)によると、令和元年度下期(元年10月~2年3月)の全産業の業績全般の動向を示すBSIはマイナス21で、同年度上期(元年4月~9月)より10㌽低下した。年度末にかけ新型コロナウイルス感染拡大の影響が深刻化し、企業の業績が落ち込んだ。

●防犯意識の高揚へすごろく作製
 能代署は、新型コロナウイルスの感染拡大防止で臨時休校中の子どもたちに、自宅で遊びながら防犯意識を高めてほしいと「まもるくんすごろく」を作った。同署のホームページでも公開しており、型紙(A3判)を印刷すれば誰でも自由に遊べる。

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能代署生活安全課少年係の伊東さん(左)が考案・作成したすごろく

●三種のじゅんさい行事も中止
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、三種町の特産・ジュンサイを前面に出した「じゅんさい旬まつり」と「世界じゅんさい摘み取り選手権大会」は今年、中止が決まった。「じゅんさい摘み取り体験」は5月の受け入れを見送る。いずれも町外から不特定多数の人が訪れる催しであることから判断した。

●飲食店、テークアウトに活路
 能代山本では25日、夜営業の飲食店の多くが臨時休業に入り、街のネオンが消えた。店主からは「5月7日から再び営業したい」という声が上がる一方で、「状況が落ち着くまで営業は厳しいのでは」と不安の声が聞かれた。また、日中は時間を有効活用しようと店を徹底的に掃除したり、テークアウトメニューを忙しく調理したりする姿が見られた。

 

27日の紙面から

●鍾馗さまの切り絵でコロナ封じ
 鍾馗(しょうき)さまの力でコロナ封じを──。能代市向能代の藤田民治さん(81)が、新型コロナウイルスの終息を願い、厄よけの神とされる鍾馗さまを題材にした切り絵を制作して自宅の門口に展示している。

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鍾馗さまの切り絵を展示している藤田さん

●役七夕中止、苦渋の決断
 新型コロナウイルス感染拡大を受け、能代伝統「役七夕」(8月6、7日)の運行中止を決めた今年当番の柳若組は、すでに各若の灯籠製作など準備が進む中で苦渋の決断を迫られた。役七夕は五町組による輪番制で各町組に5年ごとに当番が巡ってくる。今夏を中止して次回の運行となると前回(平成27年)から10年も開いてしまうことになり、「再び5年先までモチベーションを維持するのは厳しい」(柳若組関係者)と苦しい声も聞かれる。このため、来夏に運行の延期が可能かどうかを能代役七夕五町組協議会に申し入れ、判断を仰ぐことにしている。

●7月ののしろみなと祭り中止
 能代港を活用したにぎわい創出イベントとして毎年7月に開かれている「のしろみなと祭り」について、実行委員会は今年の開催を見送ることを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて判断した。

●コロナで3月空港利用者激減
 県大館能代空港管理事務所がまとめた3月の空港利用状況によると、東京便(1日2往復)の利用者数は5854人で前年同月比6155人(51・3%)の大幅減となった。新型コロナウイルス感染拡大による移動自粛などが要因。搭乗率も同比29・9㌽低い28・4%と大きく落ち込んだ。

●今夏のインターハイ中止
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国高校体育連盟は26日、8月に東北から九州の21府県で分散開催する予定だった全国高校総体(インターハイ)の中止を決めた。インターハイの中止は、昭和38年の第1回大会以来初めて。

●飲食店タッグ組んで料理提供
 新型コロナウイルスの苦境を乗り切ろうと、能代市柳町の飲食店2店舗が手を組んだ。「酒場ばいお」(工藤真也店主)と「焼肉Ya─man」(工藤和政店主)で、和政さん(29)がばいおの厨房(ちゅうぼう)に出向いて真也さん(42)と調理し、2店の味を織り交ぜたテークアウト用オードブルやランチメニューを提供する。能代山本ではまれな飲食店のコラボレーションで、2人は「わくわくしている」「お客さんを活気づけたい」と意気込んでいる。オードブルは税込み3千円。問い合わせはばいお(0185・57・3457)かYa─man(0185・52・3333)へ。

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協力してオードブルを完成させた真也さんと和政さん(右から)

●アマビエの塗り絵サービス
 能代市下内崎の菓子製造販売「セキト」(関戸實代表取締役)が、新型コロナウイルスの流行で注目されている妖怪「アマビエ」の塗り絵を作り、来店者に配布している。アマビエと、同社のイメージキャラクターのエコアズキがうがいやマスクを着用している様子がかわいらしく描かれている。同社は「塗り絵を楽しみながら、親子で感染防止対策を確認してもらいたい」と話している。

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セキトが感染防止や疫病退散を呼び掛けるアマビエの塗り絵を提供

●JR秋田が特設ページ開設
 JR秋田支社は新型コロナウイルスの影響で外出が自粛となっている状況を受け、ホームページに特設ページ「んだ!いえてつ!」を開設した。リゾートしらかみ「橅(ぶな)」編成の3号車の車両を製作している動画や、列車の塗り絵などが公開され、子どもから大人まで楽しめる内容となっている。特設ページのURLは、http://www.jreast.co.jp/akita/ietetsu/

28日の紙面から

●米代川桜づつみ公園の桜見頃
 能代市二ツ井町の米代川桜づつみ公園の桜が見頃を迎えている。現在満開で、ここ数日が最も美しい花を楽しめそうだ。新型コロナウイルスの影響で外出自粛が呼び掛けられて街なかの人出が目に見えて減少しているが、桜づつみのウオーキングコースで散策を楽しむ人の姿もちらほらと見られ、息詰まるような日常の中でほっとした時間を楽しんでいる。

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見頃を迎えている能代市二ツ井町の米代川桜づつみ公園。散策でつかの間の安堵(あんど)を得ている人の姿も見られている

●少子化要因調査の中間報告
 能代市が独自のアンケートや国勢調査から少子化要因などを分析した中間報告によると、同市では▽未婚者の割合が高い▽結婚しても一人っ子が多い▽離婚率が高い▽三世代同居の割合が低い▽技術職などに就く女性の割合が高い──といった傾向があることが分かり、「総じて大都会に見られる特徴」だとした。婚活イベント関係者や園長、高校教諭らへの聞き取り調査では、市民の地元に対する意識が弱まっていることがうかがえた。

●野党3党など選挙対応を協議
 立憲民主、国民民主、社民などの野党県組織と連合秋田などでつくる政治団体「あきたの笑顔をつくる会」は27日、インターネットのオンライン会議を開き、次期衆院選と来春の知事選への対応を話し合った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で各党、団体の協議が停滞しているとし、衆院選秋田3区の候補者擁立と、知事選への対応とも具体化しなかった。

●県内経済情勢コロナで厳しく
 財務省秋田財務事務所は27日、県内経済情勢報告(4月判断)を発表した。県内経済の総括判断は「新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にある」とし、平成27年7月以来19期ぶりに下方修正した。個人消費、生産活動、雇用情勢の主要3項目も下方修正。新型コロナの影響の終息が見通せない状況を受け、先行きについても「さらなる下振れリスクに注意する必要がある」とした。

●インターハイ中止で選手ら落胆
 新型コロナウイルスの感染拡大により、昭和38年の初開催以降、初めて中止が決まった夏の全国高校総体(インターハイ)。高校3年生は夏を目指して練習に打ち込んできたが、高校スポーツ最大の晴れ舞台が奪われ、能代市内の運動部員からは「中止はつらい」と悲しみ、落胆する声が上がった。指導者らは、目標としていた大会を失うことになった選手たちをいたわり、無念さをにじませた。

●ジョギング体操再開待ちわび
 三種町琴丘地域の住民が早朝に集まり、一緒に体を動かす「おはようジョギング体操」は、昭和56年の開始から今年で40年目を迎えた。例年4月から10月にかけて実施されるが、この春は新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動できずにいる。関係者は、節目の年を迎えた今年も地域で実践されてきた健康づくりが展開できるように、新型コロナウイルスの終息を願っている。

●就農目指し技術習得に懸命
 能代市農業技術センターで、今年度も研修生が農業技術習得に汗を流している。今春に研修を開始した3人と2年目の3人の計6人。実家が農家ではない人もいるが、就農を志しネギやスナップエンドウなどの管理作業を意欲的に学んでいる。これまでの修了者27人のうち24人が就農しており、同センターは「一定の成果を出せている。基礎をしっかり覚えてもらいたい」としている。

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スナップエンドウの芽欠き作業を行う研修生

(能代市農業技術センターで)

●能代木産連、HPで情報発信
 能代木材産業連合会(越後春彦会長)は、指定管理者として運営している「能代市技術開発センター・木の学校」(同市河戸川字南西山)のホームページ(HP)を開設した。同会は「親しみやすさを意識して作った。全国でも珍しい施設の特徴や魅力、木の手触りとものづくりの楽しさを発信していきたい」としている。HPアドレスはhttps://kino-gakkou.com/

29日の紙面から

●臨時登校日で校舎に活気
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県の緊急事態措置による要請を受け、能代山本の小中学校で臨時休校が続く中、三種町と八峰町では28日、登校日を設け、各校で1週間ぶりに児童生徒の元気な姿が広がった。各校では休校中の過ごし方の確認をしたり、自宅学習の課題の点検を行った。児童生徒たちは久しぶりに友人との時間を楽しんだ。臨時休校措置は今月21日から5月6日までの予定。

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休み時間にグラウンドでドッジボールを楽しむ児童たち(八峰町八森小で)

●市議会がコロナ対策強化要望
 能代市議会は28日、新型コロナウイルスの感染拡大で市内で経済的影響が広がっていることを受け、今年度の政務活動費と行政視察の旅費の全額約540万円を削減し、新型コロナ対策の財源に充ててほしいと市に要望した。市独自の支援策や総合的な相談窓口の設置も求めた。

●能代山本7人に春の叙勲
 政府は29日、春の叙勲受章者を発表、能代山本では能代商工会議所会頭の広幡信悦さん(71)=能代市=が産業振興功労で旭日小綬章、元県歯科医師会副会長の梅田正己さん(71)=同=が保健衛生功労、元能代市選挙管理委員会委員長の堂康男さん(79)=同=が選挙管理事務功労、元峰浜村議会議長の福司憲友さん(70)=八峰町=が地方自治功労で旭日双光章を受章するなど7人が選ばれた。また、平成12年度から3年間、能代養護(現支援)学校校長を務めた斎藤孝さん(70)=秋田市=が教育功労で瑞宝小綬章を受ける。県内の受章者は69人。

●ステイホームで社員に一時金
 県内で重機レンタルなどを展開する幸和グループ(能代市浅内)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、パートを含む全社員85人に一時金を支給することを決めた。支給額は一律2万円で、28日から支給を開始した。市内の飲食店で増えているテークアウトやデリバリーなどを活用して地元消費につなげ、社員や家族の家事の負担を和らげてもらうのが狙い。大型連休が終わるまでの「ステイホーム週間」を乗り切ろうと、グループを挙げて取り組むことにした。

●JAンビニ再オープンへ準備
 三種町鹿渡の直売店JA(ジャ)ンビニANN(アン)・AN(アン)が、同町の女性農家グループ「べっけANN・AN」(泉牧子代表)の運営で30日に再出発する。地元の農産物で手作りする「究極の安心」を感じてもらおうと、メンバーやスタッフが急ピッチで準備を進めている。

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JA職員におにぎりとみそ汁を提供し、おいしさを確かめた(三種町鵜川で)

●「ゆっちゃん」昨年度実績堅調
 能代市二ツ井町下野家後の市高齢者ふれあい交流施設「ゆっちゃん」の元年度利用実績は6万3255人だった。前年度比1470人、2・3%増で、4年連続で6万人以上が利用した。1日平均で205人が利用していることになり、二ツ井町中心部にある温泉施設として、地元住民を中心に親しまれている。

●藤里町、特別給付金で臨時窓口
 藤里町は28日、新型コロナウイルス感染拡大を受け政府が国民に現金一律10万円を配る「特別定額給付金」に備え、5月18日から臨時窓口を開設し、早ければ同28日に最初の給付ができるとする考えを示した。臨時議会終了後に、議員の質問に答えた。

●窓口の間仕切りアクリル板に
 能代市は、新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染を防ぐため本庁舎1、2階の窓口カウンターに設置した間仕切りをビニールからアクリル板に変えた。来庁した市民からは「明るい雰囲気になった」と好評だ。

30日の紙面から

●ジュンサイの収穫スタート
 三種町で、生産量日本一を誇る特産・ジュンサイの収穫が始まった。はしりで量は少ないが、春本番の沼で小舟を操り新芽を摘み取る姿が見られ、シーズンの到来を告げている。一方、新型コロナウイルスの影響で市場の単価が落ち込んでおり、生産者からは「ピーク時にどうなるのか心配」「産地を応援してほしい」との声が聞かれている。

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三種町でジュンサイの収穫がスタートした

●有効求人倍率ダウン1・46倍
 ハローワーク(職安)能代が28日発表した管内労働市場の動向によると、3月の有効求人倍率(フルタイムとパートの合計)は1・46倍で、前月より0・23㌽低下した。依然高水準は維持しているものの、平成29年5月以来34カ月ぶりに1・5倍を下回った。新規求人数が前月から124人減少しており、同職安は「管内でも新型コロナウイルス感染症の影響が出始めている」としている。

●自粛で静かな春祭りシーズン
 能代山本は、春の祭典シーズンを迎えた。例年なら各地でみこしが練り歩き、神事にも多くの住民が集まるが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため状況が一変。みこしは中止が相次いで決まっているほか、神事は人数を絞って実施し、直会も見送られている。住民からは「仕方ない」という声の一方で、みこしが巡行せず子どもや若衆の声が地域に響かないことを寂しがる声が聞かれる。

●湯立て神事で豊作の託宣
 能代市河戸川地区の熊野神社(浅野士郎宮司)で28日夜、作占いの「湯立て神事」が行われた。勢いよく水しぶきと湯気が立ち上がり、住民10人余りが参加し、豊作の託宣を喜んだ。

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豊作を願って行われた湯立て神事

(能代市河戸川の熊野神社で)

●「全中」中止で選手ら落胆
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本中学校体育連盟は28日、今夏の全国中学校体育大会の中止を決めた。日本中体連によると、「全中」の中止は初めて。東北大会も同日、中止が決まった。能代山本の中学3年生は「中止は仕方がない」と受け止める一方、目標の大会を失ったことに落胆した。県中体連は、5月1日に全県総体の開催可否を判断する。

●昨年度の消費生活相談451件
 能代市消費生活センターが昨年度、新規で受け付けた相談は451件に上った。2年連続で400件を超え、平成22年度以降の10年間では最多。クレジットカード会社を指定され複数のローンを抱えたり、複数の会社と健康食品の購入契約を結ぶなど1人で複数の問題を背負うケースが目立つほか、生活困窮による多重債務など追い詰められて同センターに駆け込む深刻な相談も多く、被害回復に向けた聞き取りなど実情の把握や相手業者との交渉を重ねたり、警察や弁護士など関係機関につないだりと、セーフティーネットの役割を担っている。

●8月のみこしの滝浴び中止
 毎年8月1日に八峰町八森の白瀑神社祭典に合わせて行われる「みこしの滝浴び」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年は中止することが決まった。29日に開かれた責任役員総代会で決定した。みこし渡御と滝浴びを取りやめ、神事のみ執り行う。

●春風受けこいのぼり悠々と
 5月5日の「端午の節句」が近づき、色鮮やかなこいのぼりが春風を体いっぱいにはらんで大空に泳いでいる。近年は見掛けることがめっきり減ったが、子どもの健やかな成長を願う思いは変わることはない。

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春空に悠々と泳ぐこいのぼり。子どもたちの健やかな成長を願う〝親心〟はいつの時代も同じ(能代市落合で)

 


 

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