コロナの春に花と山菜

(4月2日)

 1軒隣の民家の4本の梅がつぼみを日に日に膨らませ、快晴の2日前に日当たりのいい場所の1本が数輪の花を咲かせた。
 新型コロナウイルスの感染拡大のニュースに落ち着かず、能代山本では感染者は出ていないけれど、これからどうなることかと心配し、手洗いやうがいの習慣化を心掛ける毎日で、近所の風景を分からずにいたが、梅の花から「もう春」を教えられた。
 それで、わが家の庭を見渡すと、知人から球根を譲り受けたスイセンが開花し四つほど黄色い花。植木市で求めた中国由来のサンシュユ(山茱萸)が木一面に黄色の花。日本名の別名は春黄金花。春を告げていたのを気付かなかった。
 趣味のバラの手入れに忙しい家の前庭に、鉢植えがずらり並べられていた。その中の1鉢に一輪だけ内側が白っぽく外側がピンクの花。「ジーン・バーナ」という品種名が表示されていた。
 垣根のように植えられたサザンカが紅色満開で、その下に濃紫のクロッカスが咲く家。花の名前を知らず思わず聞いたのだが、細く伸びた先に淡いピンクの花がかれんなユキノシタ(雪の下)や細い筒状でラッパのようなエキゾチックな花が黄色のキルタンサス(笛吹水仙)の咲く家も。
 年がら年中、花はあるけれど、庭に軒下にと身近に育ち、冬を乗り越えて開花。それを愛(め)でることはコロナで塞(ふさ)ぎがちな心を穏やかにさせ、いつかコロナを克服する希望にもつながった。
 少雪暖冬で早い春の訪れの能代山本。バッケことフキノトウの天ぷらやバッケ味噌(みそ)はすでに楽しんだが、農産物直売所に寄ると、サワアザミが。購入して味噌汁の具に。フワーとした野草の香りが漂った。お浸(ひた)しに。独特の苦味が春を感じさせ、根っこのシャキシャキ感が味わい深かった。
 後輩の先日の言葉を思い出した。「今年は山菜が早いはず。楽しみだなあ。ボンナ、アイコ、シドケ…」。コロナ渦から逃れたいのだろう。当方もまた。

(八)