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能代決戦、秋晴れ願う

(2016.10.25)

 能代市総合体育館で29、30両日に開かれるプロバスケットボールBリーグの秋田ノーザンハピネッツ─栃木ブレックス戦の前評判が高い。前売り券は完売し、当日券を残すのみという好調ぶりで、ハピネッツ人気はもちろんだが、Bリーグの象徴的存在である栃木の田臥勇太選手=能代工高出身=のプレーに注目が集まってのことだろう。
 ハピネッツを運営する秋田プロバスケットボール社(水野勇気社長)は、日曜日の30日に、会場に入れない人のためにパブリックビューイング(無料)を計画している。同体育館前に190㌅のLED大型ビジョンを設置し、周囲には飲食の出店も設け、バスケ観戦と連動した屋外イベント空間を演出する考えだ。
 同体育館前で行われるパブリックビューイングといえば、19年の秋田わか杉国体少年男子バスケを思い出す。決勝当日は体育館に入り切れなかった約2千人の地元ファンで大型モニターを設置した体育館前は立すいの余地もなく、能代工の優勝に熱狂した。当時、国際教養大の4年生だった水野社長も期間中、能代で観戦を楽しんだそうだ。
 「その年は能代カップも見に来ましたが、たまたま隣に座っていた70、80代のおばあちゃんが、能代工やバスケのウンチクをとうとうと語り始めましてね。いやあ、ここはバスケの街なんだなと実感しました」。水野社長には能代のバスケファンの姿が強烈な印象になって残っているという。
 スーパースターの田臥がコートに立つ秋田─栃木戦は、いわば収益面でもドル箱の一戦。収容能力4500人の秋田市立体育館で開催するならば、ホーム開幕戦以来の満員御礼も間違いなかったはずだ。にもかかわらず収容能力が格段に劣る能代であえてゲームを組んだのは、「田臥選手の凱旋(がいせん)試合でもあり、能代を全国に発信する機会にしたかった」(水野社長)からだそうだ。
 それが学生時代に衝撃を受けたバスケの街に対する、水野社長の敬意の表し方だとするならば、なんと粋な計らいだろう。少し胸が熱くなった。当日の秋晴れを願いながら、パブリックビューイングの大型ビジョンで観戦してみようかと思った。 (伊藤 仁)


 

宇宙のまちに活気

(2016.9.1)

 宇宙を共通の目標に掲げる大学生や高専生らが全国から能代に集う能代宇宙イベント。12回目を迎えた今年は総勢600人余が参集してハイブリッドロケットの打ち上げや缶サット競技などに挑戦し、宇宙に懸ける情熱を感じさせた。
 今年も学生たちの取り組みを取材することになったが、宇宙を目指す彼らの思いは熱く、ロケットなどの説明を受けたり、会話を交わしたりしていると私自身もわくわくした。私のことを覚えてくれている学生たちも意外に多く、「お久しぶりです」「今回もよろしくお願いします」などと声を掛けられることもあってとてもうれしかった。
 こういった経緯もあり、今年は宇宙イベントに対する学生たちの思いを聞いてみようと考え、1人ひとり取材をしてみると、「能代宇宙イベントを通してメンバーの絆が深まった」「自分たちだけでの研究では世界が狭まってしまうので貴重な機会」といったさまざまな声を聞くことができた。
 中でも、ハイブリッドロケットの陸打ちに参加した横浜国立大大学院の伊藤夏青さん(修士2年)の「能代宇宙イベントは宇宙開発の場だといえる」という言葉が特に印象に残っている。“イベント”とは銘打っているものの、宇宙工学などを学ぶ学生たちが一堂に会し研究成果を確かめながら技術の確立につなげていく様子は、規模は違えど確かに宇宙開発の現場であり、単なる行事ではないということに改めて気付かされた。
 また、伊藤さんは今年で5回目の参加といい、「自分にとって能代はもう一つの故郷で、来るたびに懐かしく思える」とも話し、宇宙を目指す学生たちにとって能代は欠かせない場所になっているのだと実感。さらに、“もう一つの故郷”とまで呼んでくれたことに思わず感激し、学生たちの声を集めてみて正解だったと思った。
 今年はハイブリッドロケットの「海打ち」に過去最大の8団体が参加するなど、年々規模が大きくなる同イベント。台風の影響もあって日程は厳しかったものの、能代は全国各地の学生たちによって活気に満ちた。来年も大勢の人々が集い、「宇宙のまち」を盛り上げてくれることを期待しながら日々の取材に向かいたい。(小林 佑斗)


 

「くじ」への備え

(2016.4.2)

 

 「ガラポン」の抽選器は、いまだかつてない熱い視線を浴びたことだろう。先月27日に行われた藤里町議選の投開票の結果、2人の得票数が同数になり、しかも10番目に並んだ。定数は10。最下位当選者はくじで決した。開票所には別の記者が行き、当方は二ツ井支局で「結果待ち」だったため、現場の様子は後から聞く形になったが、ガラポンの「まさか、出番が来るとは」というつぶやきが聞こえてきそうだ。
 公職選挙法は、衆院比例と参院比例以外の選挙の当選人について、「当選人を定めるに当(あた)り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める」としている。「くじ」は昭和22年の法改正で導入され、それ以前は「年長者」が当選人だったそうだ。具体的なくじの方法や手順は、各選挙管理委員会に委ねられている。
 町選管は、投開票前日の26日にくじの方法をペーパーにまとめた。ガラポンで行い、赤玉と白玉を用いる。届け出順が先の候補者を赤玉、後の候補者を白玉とし、選挙長がガラポンを回し、出た玉の色の候補者を当選人とする、という明解な一発勝負のルール。抽選器はきれいに拭かれ、当日は選管室で待機。まさか出番があるとは思っていなかっただろう。
 能代山本の同町以外の3市町選管に「まさか」への備えを尋ねると、能代市はガラポンを用意している、八峰町は届け出順を決める際の抽選に用いる「棒」を使うことや手順の話はしたが決定はしていない、三種町も話し合いはしたけれど書き物では残していない──いずれ要領のような常設の「定め」はなかった。
 県選管も同様で、「あらかじめ決めたものはない。公平性が保たれていればいい」。知事選も県議選も、当選人を決める選挙会は開票日当日ではない。その日のうちに〝決着〟を付ける市町村より時間や余裕はあるのだろうが、「待つ身」は痩せる思いだろう。
 よく考えると、今回の藤里町選管の方法は、少々〝結果オーライ〟な部分があった。立候補者数は12人、定数は10。3人が同じ得票数で10番目に並び、三つ目の玉が必要になる可能性だってあったのだ。いや、可能性を言えば、いろんなケースがあり得る。例えば9番目に4人並ぶ、とか…いずれにせよ、各市町とも「まさか」への備えは万端にしておくに越したことはない。選んでくれている。その姿をこれからも追い続け、たくさんの努力と感動を記事にしていきたい。

(渡部 祐木子)


 

能代の知名度、諏訪にも

(2016.3.29)

 小型ロケットの製作を通して技術者を育成する「SUWA小型ロケットプロジェクト」に取り組む長野県の諏訪地域6市町村や信州大などが先日、能代市浅内の第3鉱さい堆積場で小型ハイブリッドロケット1号機の打ち上げを行った。取材したプロジェクトチームの関係者からは「宇宙といえば能代」という言葉が何度も聞かれ、“宇宙のまち”の知名度の高まりを感じてうれしくなった。
 プロジェクトはロケット開発を通して航空宇宙分野の技術向上を図り、高度な技術に対応できる人材を育成することが狙い。信州大や諏訪東京理科大、諏訪地域の公募企業などで立ち上げ、信州大大学院の卒業生らでつくる信州・諏訪圏テクノ研究会を中心にプロジェクトチームを結成した。
 プロジェクト責任者で信州大工学部の中山昇准教授によると、長野県には小型ロケットを打ち上げる場所がないそうで、昨年の航空宇宙学会に参加して能代でロケットの打ち上げ実験が盛んに行われていることを知り、ここしかないと思ったという。
 初の打ち上げはさまざまなトラブルに見舞われたものの、諏訪地域の人々の期待を背負っているチームの力はだてではない。力を集結して状況を打開し、機体の回収も無事に終えた。中には感極まって涙するメンバーもいて、ロケットに懸ける思いは想像以上に熱かった。
 記念すべき1号機を能代で打ち上げたことについて中山准教授は「宇宙を学ぶ人にとって能代はある意味、聖地。この場所で打ち上げを行えるのはとてもうれしいこと。市民の方々の理解もあるので素晴らしい」と語り、宇宙のまちとしての取り組みが少しずつ実を結んできていると実感できた。
 当日のサポート役を担った秋田大大学院工学資源学研究科付属ものづくり創造工学センター副センター長の堤明正さんは「いずれは信州大の学生にも能代宇宙イベントに参加していただければありがたい。能代は宇宙工学などを学ぶ学生たちの認知度が非常に高く、一般の人への周知にももっと力を入れていきたい」と話し、今後の広がりに期待していた。
 宇宙を目指す全国の人々が、ロケットの打ち上げを行う場所としてこの能代を選んでくれている。その姿をこれからも追い続け、たくさんの努力と感動を記事にしていきたい。(小林 佑斗)


 

「県民球団」の挑戦

(2016.3.4)

 能代市総合体育館で5、6両日行われるbjリーグの秋田ノーザンハピネッツ─信州ブレイブウォリアーズ2連戦。運営会社の秋田プロバスケットボールクラブ代表取締役社長の水野勇気さん(33)は「日本一を目指すハピネッツにとって能代の2連戦は、大切な戦いになる」と語る。
 2年連続でファイナルに進出しながら優勝を逃したハピネッツにとって、「日本一は最大かつ、たった一つの目標」(水野さん)だ。東地区首位に立ったハピネッツは、信州戦の翌週には同地区2位の新潟アルビレックスとアウエー2連戦を控える。調子を上げる信州を蹴散らして弾みをつけ、新潟を破って首位を不動のものにしたい。能代大会に臨むハピネッツ側の思惑もそこにある。
 bjリーグ初参入の6年前、水野さんにインタビューしたことがある。秋田でプロチーム運営がうまくいくのか半信半疑だったこともあり、資金繰りに質問を重ねたが、「プロ野球チームをつくると言っているんじゃありません。バスケはたかが1億5千万円から高くて3億円。何とかなりますよ」と屈託なかった。億単位の運営費を「たかが」という感覚には少々驚き、あきれもしたが、目標にまい進する若者の型破りな挑戦心があったからこそ、多くは夢物語と思っていたプロチームが実現できたのだと思う。
 水野さんは「そうでしたっけ。でもうまくいく見込みはありましたよ。秋田と同規模でスポンサーとなるような大企業のない山形で、Jリーグのサッカーチームを運営していますから。秋田でもできると確信がありました」と笑顔を見せた。
 今秋にはNBLとbjリーグを統合した「Bリーグ」が開幕し、ハピネッツはトップの1部に参戦。リーグの規模が飛躍的に大きくなり、レベルもアップする。現在は4億円程度の運営費だが、6~7億円程度を目指す覚悟だ。NBLのチームのように大企業がバックにないハピネッツは、観客収入の増加が鍵となる。動員数を今より毎回1千~2千人増やすのは生易しいものではないだろう。「県民球団として最大限の努力をしたい」と話す水野さんの新たな挑戦は始まっている。

(伊藤 仁)


 

探査機「あかつき」に注目

(2016.2.28)

 先日JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙科学研究所の石井信明教授の講演会を取材した。演題は、石井教授がチーフエンジニアとして携わってきた日本初の金星探査機「あかつき」について。典型的文系人間にとっては新鮮な驚きの連続で、プロジェクトスタッフの飽くなき探究心と情熱に脱帽した。
 JAXAは22年5月に「あかつき」を打ち上げ、同年12月に金星を周回する軌道への投入を試みたが、メーンエンジンの故障で失敗。再び金星に接近した5年後の昨年12月、姿勢制御用の小型エンジンを使って再挑戦し、無事に成功を収めた。
 「あかつき」は今後、複数のカメラで金星を上空から観測し、ベールに包まれた気象メカニズムの解明を目指すとのこと。
 石井教授によると、金星は地球とほぼ同じ大きさで「兄弟星」とも呼ばれているが、大気成分のほとんどを二酸化炭素が占めているため、地表での気圧は地球の90倍、温度は460度に達するという。「なぜそんな地獄のような惑星を調査するのか」と疑問に思ったが、すぐに解消した。地球と金星が異なる運命をたどった理由を探れば、地球の温暖化などの問題を解決できるヒントが得られるかもしれないのだ。
 13年の立案当初からプロジェクトに携わっているという。開発の過程などは具体的に語られなかったが、打ち上げまでに10年もの歳月をかけており、並大抵の道のりでなかったことは容易に推察された。
 「あかつき」には巨額の事業費と長年にわたる努力が注ぎ込まれ、関係者には「失敗しました」では済まされない重責がのしかかっていただろう。石井教授は再挑戦の当時について、小型エンジンの噴射時間約20分間がとてつもなく長く感じられたと振り返った。成功したと分かった瞬間、スタッフの喜びはいかばかりだったことか。
 公式ホームページによると、「あかつき」が本格的な観測を開始するのは4月ごろから。そのカメラは一体どんなものを写し出し、どんな未来を示してくれるのか、今から楽しみでならない。〝宇宙のまち”に住む1人として、その動向に注目していきたい。(佐藤 拓人)


 

はしご酒の出会い

(2016.2.10)

 夜の街に繰り出して「はしご酒」になるのはいつものことだが、一晩で5軒以上を回ったのは自己最多記録だった。4日に能代市内で開かれた第3回のしろ飲み歩きフェスは、冬の飲食店街を熱くさせた。
 柳町や西通町などの居酒屋やスナック、バー35店舗のうち、指定された5カ所を2時間で回る趣向。老若男女約400人が繰り出し、夜の通りは帰省シーズン並みのにぎわいに包まれた。
 「新たなお気に入り店」を発見してもらい、飲食業の活性化につなげることが主催者側の狙いの一つ。指定された5店舗のうち、初めて入った店は3カ所あった。1店当たりの滞在時間は20分ほどに限られるが、雰囲気をつかむには十分と感じた。
 柳町のスナックで隣り合わせた男性は「いつもは西通り周辺で飲んでいるから新鮮。今度は仲間も誘って来てみようかな」と上機嫌だった。
 実行委員会の中心を担うNPO法人ミライ10の大塚満彦理事長(61)は「参加者アンケートで『新しい友達ができた』という声があったのもうれしかった」と話す。店内では、グループの垣根を超えて乾杯する光景があちこちで見られた。
 3軒目の店内で、ピンク色のニット帽をかぶった陽気な男性が話し掛けてくれた。プロバスケットボールチーム・秋田ノーザンハピネッツの熱烈なファンという。しばらくバスケ談議に花が咲いた。
 柳町通りをはじめとする飲食店街をほろ酔い加減で行き交う人たちは、「夜の街を楽しもう」という連帯感に包まれていたように感じる。
 実行委は、来年度以降の継続にも意欲を見せている。メンバーは地域活動に取り組む20、30代も多い。大塚理事長は「将来的には、能代山本以外からもたくさん参加してもらい、交流人口増に貢献できるイベントに育てたい」と話す。
 今後は、飲食店への参加協力にも一層力を入れる方針。準備段階で声を掛ける店舗は200以上に上るという。ただ、参加は過去3回ともに30〜40店ほど。「まだ様子見」という店も少なくない。
 〝二次会〟で立ち寄ったあるスナックも今回は参加を見送っていたが、店主は「街を元気にしたいという思いには、もちろん共感している」と話した。よりスケールアップしたフェスに来年も参加してみたい。(川尻 昭吾)


 

新年も頑張ります

(2016.1.15)

 本紙新年号恒例のお年玉付きクイズ「2016写真入りニュースクロス」に、今年も多数の読者からご応募をいただきました。その数107通。今年のクイズは少し難しいかな?とも思ったのですが、皆さん根気よく挑戦していただき、正解率はなんと99%以上。不正解だった人も文字の書き間違いと思われるだけで、正解扱いにしてあげたいところでした。当選した20人の方には、液体の比重が温度によって変化する現象を利用した「ガラスフロート温度計」を近日中にお届けします。お楽しみに。
 今回も応募者からはクイズの解答とともに、本紙についてのコメントを多数寄せていただきました。感想、激励はもちろんうれしいものですが、耳の痛い指摘であってもありがたい声。当欄にてその一部ではありますが、ご紹介したいと思います。
 まずは新年号についての感想。「カラー豊富で読みやすかった」(能代市末広町、女性33歳)、「第5集の『サルを訪ねて神社まで』の記事を参考に、初詣に出掛けたおりに日吉神社をじっくり見てきた」(能代市東町・主婦63歳)。「『名所巡りでしりとり』。いかに自分が能代山本のことを知らないかを思い知らされた。勉強になった」(大町、女性65歳)。「『変わり麺』を見ていたら食べたくなった」(能代市下瀬、女性)と言っていただけると、担当記者たちがあれこれ必死に考えたことが報われたようでうれしいです。また、正月は両親の実家に帰省したのでしょうか、「毎年能代市で正月に皆で見るのが当たり前になっていて、すくすくアローが良かった」(秋田市の小学生、10歳)という子どもからの感想も。
 クイズに関しては、「落ち着いてクロスができてうれしい。何も考えない時間をつくれた(能代市東町・看護師)」、「ニュースクロスは内容が『そう、そう』と思ったことがいっぱい」(能代市二ツ井町、女性50代)。正月のお楽しみにしている人も多いようで、中には「毎週クイズコーナーを」(能代市二ツ井町、男性76歳)」という声も。また、「文字をもう少し大きくしてほしい」という要望も少なくなく、来年以降の検討課題にしたいと思います。
 日々の本紙には「紙面で能代山本を盛り上げて」(能代市飛根、女性60歳)、「年寄りに優しい情報がほしい」(能代市戸草沢、女性77歳)、「『あっ』と思う記事は切り取りファイルしています」(三種町、女性58歳)という方も。さまざまな要望に応えられるよう、そして「字の間違いがないように」(能代市大手町、男性80歳)という指摘をしっかりと受け止め、能代山本の多種多様な情報、ニュースを少しでも多く、そして正確に届けられるよう、編集局一同頑張ります。(岡本 泰)


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