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地元マラソンに満足感

(2017.10.21)
 

 能代市二ツ井町で15日行われた「きみまち二ツ井マラソン」の10㌔に参加した。沿道に立つ住民の声援や他のランナーからの励ましを受けながら完走。大の苦手だったマラソンが、その日は充実感を抱かせてくれた。
 小中高校と運動部に所属していたものの、体力がなく常に持久走に自信がなかった。地元のきみまちマラソンには小中学生の時に4㌔に参加した記憶があるが、いつも最後の方だった。
 参加すると決めて5月から練習をスタート。少しずつ距離や時間を延ばし、9月中旬に初めて10㌔を走った。タイムは1時間21分16秒。完走が見えたことで自信が付き、自己新でゴールすることを目標にした。
 当日の朝は緊張で食事が喉を通らず、会場に着いてからスタートまではあっという間だった。「心の準備ができていない」と焦るも、号砲は待ってくれない。最初の1㌔はとても足が重く、距離も長く感じた。
 銀杏橋の先は練習で足を踏み入れたことがない未知のコース。アップダウンもあり苦しくなったところで、後ろから走ってきた男性が「好きなのどうぞ」と腰のポーチから飴(あめ)が入った巾着袋を取り出し、励ましてくれた。
 折り返し地点を過ぎると往路での下り坂は、登りの難所となって立ちはだかった。ここでは仁鮒郷土芸術保存会の男性たちがお囃子で鼓舞してくれた。
 「あと少し」の声を励みに銀杏橋を再び渡ると、今度は沿道からチョコレートの差し入れ。左頬に飴、右頬にチョコを頬張りながら残る数百㍍を走り切った。女子総合順位は159人中127位、1時間13分14秒で完走できた。黙々と練習していた時とは違い、沿道の応援やランナーとの触れ合いもあり、走ることが初めて面白いと思った。
 心に残ったのは、完走後に聞こえてきた女性2人組の「シャワー室がある体育館でうれしいね」「運営の人たちも慣れててスムーズでいい大会だよね」という会話。施設の面だけでなく、大会を支える人たちのソフト面でも満足してもらえる大会だというのはうれしいこと。私自身、緊張でいっぱいながら走ることだけを考えていられたのはスタッフやボランティアのスムーズな運営があってこそ。
 久しぶりに参加した地元のマラソンは、ただ完走するだけでは得られない気持ち良さを感じた。また参加したいと思った。(佐藤 詩織)


若者集う〝宇宙のまち〟

(2017.9.2)

 先月行われた「能代宇宙イベント」には今年も全国から大勢の大学生や高専生ら約600人が能代市に参集、宇宙という共通の目標に向けて日頃の研究の成果を披露した。“宇宙のまち”は活気に包まれた。
 私自身も毎年楽しみにしているイベントで、今年も引き続き担当となったことで喜々として現場へ。学生たちから「また来てくれたんですね」と声を掛けられたり、昨年の缶サットやハイブリッドロケットからの改良点について説明を受けたりし、とても充実した取材ができた。
 街では、機体の組み立てや調整といった作業に当たる学生らに地域住民がお茶やかき氷券などを差し入れして応援したほか、同イベントに参加している千葉工大の学生団体「SPARK」のメンバーが、ロケット甲子園に挑む能代高の生徒たちに指導を行うなど交流の輪も広がり、学生たちが地域になじんでいく様子にうれしくなった。
 落合浜でのハイブリッドロケットの海打ちは悪天候が続いたが、学生たちは何としても打ち上げようと頑張っていた。夜にふと温泉に入ろうと湯らくの宿のしろを訪れた際、海打ちを無事終えた東北大の学生たちと遭遇。サウナに入りながら現場での心境について彼らに聞くと「せっかく能代の地に来ることができたのだから、必ず成功させなければという思いでいっぱいだった」と答え、熱意が感じられた。
 また、全日程終了後、学生代表の中村靖子さん(秋田大大学院修士1年)は「各団体の手伝いのおかげでスケジュールをスムーズに消化し、無事に終えることができた」と充実した表情を見せ、能代以外の場所で経験を積んだ学生が一堂に会して技術を披露する同イベントについて「参加者みんながインターハイのように感じている」と語り、学生たちにとって能代が特別な場所であるということを再確認できた。
 東北電力能代火力発電所3号機の建設に伴う宿泊施設の不足といった課題はあるが、全国の学生たちが能代を活気づけてくれる同イベントは貴重な取り組みだと思う。来年は参加者がさらに増え、“宇宙のまち”を盛り上げてくれることを願う。(小林 佑斗)


地元は応援してます

(2017.3.9)

 3日間続いた能代市内の高校卒業式の最終日、最後のホームルームを写真に収めようと式典後の教室に入った。担任教諭から1人ずつ卒業証書が手渡される中、ある男子生徒は、友人との思い出や感謝を語った後、こちらを向いて「北羽新報の佐藤さん、中学の時からありがとうございました」。突然のことに「こちらこそ、ありがとうございます」と返すのがやっとだった。うれしさの半面、気の利いた言葉が出なかったかと帰り道にもんもんとした。
 この男子生徒が中学3年の時、夏の県少年野球大会の取材を担当していた。準優勝を飾り、彼らは私にとって初めて東北大会の取材を経験させてくれたチームだった。男子生徒は三塁手として活躍していた。当時のメンバーはそれぞれの高校に進んだが、高校野球で大会のプログラムに知っている名前を見つけて喜んだ。その選手の1人が高校生活最後の日に、そんな言葉をくれたのが本当にうれしかった。
 昨年4月から、初めて教育担当になり、これまで以上に学校に足を運んだ。高校生の取材では将来を具体的に思い描き、目標を掲げて挑戦している人が多く、とても輝いて見えた。そんな彼、彼女たちが堂々と卒業式で点呼に応え、教室では友人だけでなく恩師や家族に感謝をしっかりと伝え、未来への決意を語る姿に何度も目頭が熱くなってカメラを構えた。志望大学に合格したと教えてくれた生徒もいて、着実に歩みを進めていることにたくましさを感じながら、いつの間にか私も見送る立場になっていたんだと気付いた。
 能代松陽の卒業式はテレビ局も取材に来ていた。メインは県外就職する卒業生へのインタビューで、今春にも県の人口が100万人の大台を割ると予測されているためだという。その記者の「この子たちのせいじゃないんだけどね」という言葉に共感した。
 もちろん、期待と可能性を胸に県外に進学、就職する生徒たちが後ろめたさを感じる必要はこれっぽっちもない。秋田で、能代山本で過ごした日々を自信に変えて新しい春を歩んでほしい。どこにいたってみんなの頑張りが地元を元気づけてくれるし、地元の人たちは応援してくれる。今はまだ、それを感じることはないかもしれないが、地方紙の記者になってそう思うことが多々ある。
 すべての卒業生にそのことを伝えたいと思った。 (佐藤 詩織)


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