
春花の風景 2025能代山本②
光久寺の梅(能代市) 境内に彩りを

能代山本各地の民家の庭先や寺院の境内などで、梅の花が見頃を迎えている。淡いピンクや赤など、花の色はさまざま。晴れた日には青空に映え、地域住民に春本番を感じさせている。
能代市萩の台の光久寺(成田幸樹住職)では、境内に植えられた梅が10日ごろから開花。整然とした境内で咲き誇る薄いピンク色の花がひときわ目を引く。
同寺は江戸時代初めに開山。前住職の幸広さん(74)によると、昭和57年に寺院が清助町から現在地に移った際、檀家が「境内に彩りを」と植栽したのがこの梅の木という。20年ほど前、樹勢が衰えて枯れ、根元の数十㌢を残して切ってしまったが、株の付近から芽が出て順調に育った。
現在は樹高も人の背丈を超え、幸広さん自らせん定を行うなどして大切にしている。
今年の開花は、春先の気温の低さや雨の多さなどの影響か例年よりやや遅かったが、15日にはほぼ満開となった。花は今後1週間ほど楽しめそうだ。
寺院が立ち並び、厳かな雰囲気も漂う萩の台地区に、薄ピンク色の花が穏やかな春の訪れを告げているようにも感じられる。能代山本各地の民家の庭先でも梅の花が見頃となっている。