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地域共生づくり注視

(2022.1.31)

 石油元売り最大手のENEOS(エネオス)が25日に和歌山製油所(和歌山県有田市)の閉鎖を発表したことを受け、同県の仁坂吉伸知事が、事前通告のない一方的な決定だと撤回を求めた。同社は八峰町・能代市沖で洋上風力発電を計画する再生可能エネルギー発電大手のジャパン・リニューアブル・エナジーを買収しており、世界的な脱炭素の流れを背景に事業構造の転換を急いでいるようだ。
 報道によると、和歌山製油所は経済・雇用面からも地域の重要な基盤で、操業から80年にわたって地元を支えてきたという。地域経済への影響を懸念する仁坂知事は突然の閉鎖に、大企業の姿勢として極めて疑問だと不満をあらわにした。もし東北電力が、同じく脱炭素で逆風が吹く能代火力発電所を前触れなく閉鎖すると発表したらどうか。本県の佐竹知事や市町長らの猛反発を招くのは想像に難くない。
 和歌山製油所は地域とともに成長してきたはずだ。脱炭素化で環境が激変したからといって、何の説明もなくプラントを閉鎖するのか。地元はないがしろにされたと感じるのではないか。電気自動車(EV)へのシフトが進み、二酸化炭素(CO2)を排出するガソリン需要の先細りが目に見えるため決断を早めたのかもしれないが、地元との共生意識はどこへ行ったのか。大手のドライな一面が見えたが、競争の激化で費用対効果を優先するあまり、地元を置き去りにすることがあってはならない。
 能代市・三種町・男鹿市沖など洋上風力の3海域で行われた公募・入札では、三菱商事の連合企業がすべて落札した。今春卒の東大生の就職人気ランキングでも1位に輝く大手商社だが、洋上風力事業化に当たり、地域貢献に積極姿勢を示しているとされる。これから本県でどんな地域共生づくりが図られるか注視したい。

(若狭 基)


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