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電源立地地域への対価

(2024.1.28)

 能代市落合の能代落合風力発電所でつくられた電力が、来月1日から仙台市のJR東日本東北本部ビルとJR仙台駅、福島市のJR福島駅に供給される。法改正でJR東日本のようなエネルギー使用量が一定規模以上の企業には非化石エネルギーの使用割合の目標設定が義務づけられたことが背景にあるとみられる。だがエネルギー使用量が一定規模以上の企業は能代山本にはほとんどなく、地方で発電した電気を大都市で使うケースがますます増えそうだ。
 風力発電は国が平成24年7月に導入した再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)によって急速に拡大した。能代落合風力発電所は全国的にも早い14年12月に運転開始し、昨年5月にFIT期間を終えた。
 「卒FIT」施設は風車を解体して事業を終えるか、発電事業者が電気の買い手を探して発電を続けるか選択する。同発電所を所有・管理する日立パワーソリューションズ(茨城県日立市)は事業継続の道を選んだ。
 企業に非化石エネへの転換を促す改正エネルギー使用合理化法が昨年4月に施行され、購入価格が多少高くても再エネ電気を使いたい大手が増えている。能代山本の風力発電でも、FIT期間終了をきっかけに再エネ電気の売買が進むとみられる。
 能代山本沖で進む洋上風力発電も状況は似てる。着床式風車の公募ではFIT制度からFIP制度に変わり、落札した事業者は電力の販売先を見つけなければならない。事業活動で使う電気を再エネ由来に変え、二酸化炭素の排出量を減らしたい大企業と事業者の間で売電契約が進むものとみられる。脱炭素の潮流や取引先からの要請が背景にあるためだが、このままでは資本力の乏しい地方の企業は置いてきぼりだ。開発で自然が改変された能代山本の海や陸が単なる「場所貸し」に終わってしまう。
 場所貸しをした地方は何らかの対価を受けるべきではないか。自然資源の提供に対する適正な報酬を得ることで、地域に利益が還元され循環が生まれる。発電事業者や大都市が地方の資源を利用する場合は地方への投資や共感があるといい。教育、インフラ整備、地域振興などのプロジェクトを通じて電源立地地域を支援する仕組みが築ければ、地元の風力発電へのイメージもぐんと上がるのだが。                            ( 若狭 基

 


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