失われた学校の記録

青い表紙のB5判の冊子「失われた学校の記録─教育の原点を求めて─」を久しぶりに手に取った。
能代市山本郡で昭和29年度末~平成元年度末に廃校(改称を含む)になった小学校16校(うち分校6)と中学校26校の計42校を掲載している。
県教職員組合能代山本支部「学校の記録編集委員会」の編集で、発行は平成6年7月。
こんなにたくさんの学校があったのか、と衝撃を受けた日から、もうじき30年。

平成6年度の学校数を現在の市町単位で見ると、能代市は小学校20校、中学校7校、三種町が小9校(うち分校1)、中3校。
八峰町は小6校、中2校。
藤里町は小3校、中1校。
計51校(小38校、中13校)。

時代は令和へ。
5年度の学校数は、能代市が小7校、中6校。
三種町は小5校、中3校。
八峰町は小2校、中1校。
藤里町は義務教育学校1校。
計25校(小14、中10、義務1)。

差し引き26校減、半減というインパクトもさることながら、この間に校史に幕を下ろした学校が34校に上ることに驚く。
能代市が小16校、中1校。
三種は小5校(うち分校1)、八峰町は小6校、中2校。
藤里が小3校、中1校。
三種町は小中学校の再編計画があり、計画通り実行されれば、「失われた学校」は7増の41校となる。

昭和後半と、平成から令和にかけてでは統廃合に至る時代背景は異なるが、児童生徒数減は共通だろう。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると2050年、およそ小中学生に当たる5~9歳と10~14歳の5歳刻み人口は能代山本で1,296人。
20年(4,504人)からの30年で7割減る。

果たして、その時学校はどういう姿をしているのだろう。

(渡)

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