春花の風景 2024能代山本⑭

羽立の枝垂れ桜(能代市) 里山の景色に彩り

かれんな薄ピンクの花が里山の景色を彩る(能代市桧山の羽立集落で)
かれんな薄ピンクの花が里山の景色を彩る(能代市桧山の羽立集落で)

 能代市桧山地区の東端に位置する羽立集落では、20本余りの枝垂れ桜が見頃を迎えた。薄いピンクのかれんな花が里山の景色に彩りを添えている。
 桧山地区には、枝垂れ桜の名所として知られる多宝院がある。近くの民家の庭や道路沿いにも住民の手によって植栽され、見頃を迎える春には地域外から足を運ぶ人も多い。
 そこから県道を母体方面にしばらく車で走ると、杉山に囲まれた羽立集落がある。約20本の枝垂れ桜のほか、桃、八重桜などが民家の庭や道路沿いに植えられている。
 同所の畠山一男さん(80)によると、多くは25年ほど前に植えられた。「かつて集落の畑には、あちこちに桃が植えられていた」と振り返る。里山の景色を美しい色の花で「桃源郷」のようにしようと、住民が少しずつ植えていったという。
 集落を流れる桧山川の左岸には大きく育った3本の枝垂れ桜が立ち並び、薄いピンクの花が満開。青空が広がった29日には、日差しを浴びて華やかさが増し、住民の目を楽しませていた。
周辺では、早くも代かきが行われている水田も見られる。活気づく里山の景色にかれんな花が彩りを添えており、畠山さんは「毎年、きれいに咲いてくれることがうれしい」と話した。

(川尻 昭吾)

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