場外に注目は興ざめ

大相撲春場所は、尊富士が新入幕での優勝を果たした。110年ぶりの快挙に、地元の青森県をはじめ日本中の相撲ファンが沸いた。大銀杏が結えないちょんまげの尊富士と最後まで優勝を争ったのは、まだ“ざんばら髪”で入幕2場所目の大の里。若手の台頭が、上位陣不振の場所を盛り上げた。

尊富士は青森県金木町(現五所川原市)出身の24歳。地元を離れ木造中、鳥取城北高、日本大で相撲を続け、同郷の元横綱旭富士が親方を務める伊勢ケ浜部屋に入門。一昨年秋場所で初土俵を踏むと、とんとん拍子で番付を上げ今年1月の初場所は新十両で優勝、1場所で入幕した。

今場所は優勝に加え殊勲、敢闘、技能の3賞を総なめ。前日の取組で右足を負傷し、出場も危ぶまれたが気力で千秋楽の土俵に上り、大一番を制し自力で賜杯を手に入れた。優勝インタビューでは「記録も大事だが、皆さんの記憶に残りたいと頑張った」と語った。

場所前、相撲界のニュースといえば、弟子の暴力問題を受けた元横綱白鵬の宮城野親方への処遇について連日報じられた。こうした土俵外の混乱を、新鋭力士の奮闘が払拭してくれた。

同じスポーツの野球界では、メジャーリーグのドジャースに移籍した大谷翔平選手の活躍が期待される中、通訳を務めていた水原一平さんが違法賭博に関係したとして球団を解雇され、今後の動向が見守られる。

国内に話題を戻せば、国政は自民党派閥の裏金問題がトップニュースと、何とも情けない。土俵、グラウンド、国会と、場外が注目される事態には興ざめだ。

(池)

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